国宝根本中堂大改修

改修の進捗

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素屋根建設

根本中堂 素屋根建設 2016年8月~2018年7月

気候影響を受けることなく、円滑・安全に改修工事を進めるために建設されました。

2017年4月

素屋根 中堂前にラフタークレーンを設置
素屋根 中庭に基礎コンクリート打設

2017年7月

素屋根 仮設講台の設営
素屋根 北側に建てられた仮設構台
素屋根 北側に建てられた仮設構台

2017年10月

素屋根 第4回スライド工事完了
素屋根 スライド工事途中経過
素屋根 中庭に修学ステージを建設

2018年5月

素屋根 根本中堂正面

2018年6月

素屋根 素屋根設置用クレーン撤去

2018年7月

素屋根 素屋根完成
素屋根 スライド工法

根本中堂周辺は作業スペースが非常に狭いため、
根本中堂の北側に仮設構台を建設し、その上で鉄骨をワンスパンずつ組み立てます。
組み立てた鉄骨は油圧ジャッキを使い南側へスライドさせます。
その工程を11回行い、根本中堂を覆う素屋根が建設されました。

根本中堂修学ステージ

根本中堂の屋根の葺き替えや廻廊屋根の葺き替えの様子を間近で見学していただける
修学ステージを設置いたしました。

2018年4月

修学ステージ

2018年5月

修学ステージ
修学ステージ

2018年7月

修学ステージ 修学ステージ 最上階
修学ステージ 完成した修学ステージ

2018年12月

修学ステージ 修学ステージから見た廻廊の屋根
修学ステージ

屋根の葺き替え

根本中堂の大屋根は下から土居葺(どいぶき)、「下地」、銅板葺(どうばんぶき)の三層構造となっています。

銅板葺解体 2018年11月~2019年3月

銅板解体前の屋根

本堂 大屋根銅板解体前

2018年12月

本堂 銅板解体

2019年1月

本堂 瓦棒銅板解体終了

2019年2月

本堂 下地部銅板解体
本堂 解体完了
本堂 解体後の銅板

表面は緑青がふいていますが裏面は銅の色が残っています。根本中堂の屋根には厚さ約0.5mmの銅板が使用されています。

2019年3月

本堂 大棟解体
本堂 大棟鬼飾り解体
本堂 部材取り外し
本堂 大棟解体完了

2019年3月
当初の修理方針では全面解体を予定していましたが、想定より傷んだ箇所が少なかったため、大きく破損した部分のみ解体修理を行いました。

本堂 破損箇所のみ野地板解体
本堂 土居葺の破損箇所西側
本堂 銅板、一部下地の解体完了

本堂屋根の大棟の両端には鬼が付いており大棟解体の際に取り外しました。

本堂 大屋根 鬼
本堂 解体後北側鬼
本堂 北側の鬼
本堂 南側の鬼

廻廊 屋根

解体前の廻廊とち葺屋根

廻廊 廻廊 軒唐破風
廻廊 破損箇所

2019年1月 南側の廻廊屋根とち葺の解体が始まりました。

廻廊 廻廊とち葺き解体 1/3完了
廻廊 廻廊とち葺解体 南側

2019年2月

廻廊 修学ステージから
作業の様子を見学可能(南側)
廻廊 南側半分のとち葺解体完了
廻廊 南側半分のとち葺解体完了
廻廊 とち葺断面
廻廊 竹釘
廻廊 廻廊屋根 拭込み銅板

板の間には銅板が挟んであります。雨が降ると銅板に含まれる緑青の成分が溶け出し、木材をコーティングします。これにより苔が生えるのを防ぎ、木材を腐りにくくすることができます。

2020年1月

廻廊 軒付け解体(南側)
廻廊 軒付解体(南側)

2020年2月

廻廊 とち葺解体(北側)

2020年3月

廻廊 東側より北側にかけての廻廊
廻廊
廻廊 とち葺解体(正面)
廻廊
廻廊
廻廊 とち葺解体完了

廻廊とち葺材

廻廊の屋根には木曽の天然サワラを使用しています。天然サワラは年輪が細かく加工性に優れており、水に強いので、屋根材として非常に優れています。職人さんの熟練された技により加工されます。

【玉切り】
屋根材の寸法に合わせて切断
 

【みかん割り】
玉切りされた円形の木材を6~8等分に割る

【分取り】
定規を使い決められた寸法に割る
 

【銑掛け】
銑という刃物で表面の凹凸を整える

長さ1尺5寸(45cm)、厚さ8分(2.4cm)の屋根材が仕上がった

塗装

廻廊

2018年10月から壁面の塗装掻き落とし工事が始まりました。塗り直しを行う前に、現在の塗装を掻き落とします。

2018年10月~2019年2月

廻廊 廻廊外部塗装掻き落とし前
廻廊 廻廊外部塗装掻き落とし後
廻廊 掻き落とし前 掻き落とし後

専用の工具を使い塗装を掻き落としていきます。

廻廊 掻き落とすための工具(スクレーパー)
廻廊 掻き落とし作業
廻廊

2018年11月~2019年3月

本堂 屋根 本堂外部塗装掻き落とし前
本堂 屋根 本堂外部塗装掻き落とし後

2019年2月~2019年3月

本堂 屋根 廻廊軒廻り塗装掻き落とし前
廻廊軒廻り塗装掻き落とし後

2019年11月~2020年1月

廻廊 廻廊内部塗装掻き落とし前
廻廊 廻廊内部塗装掻き落とし後

本堂

中陣・外陣上部塗装掻き落とし

掻き落とし前・後

外陣 掻き落とし前 掻き落とし後

2019年12月~2020年3月 掻き落とし後

彩色

蟇股彫刻

2018年9月から根本中堂・廻廊の彩色調査が始まりました。
紫外線や風雨により退色や剥落した彩色を古文書による文献的調査、現地調査、科学的調査で
可能な限り建築当初の彩色に塗り直します。

2018年9月

本堂 支輪板彩色調査

2018年10月

本堂 蟇股彩色調査
本堂 蟇股彫刻の塗膜の破片

2018年11月

本堂 エックス線分析による彩色調査

2019年1月~ 彩色痕跡図作成

本堂 現状の蟇股
本堂 痕跡図制作作業
本堂 痕跡図

2019年2月~ 彩色復旧見取図作成

彫刻に残った彩色の調査や科学分析調査を行い復旧図が作られます。

本堂 復旧見取図制作作業
本堂 復旧見取図制作作業
本堂 復旧見取図

2019年10月 廻廊蟇股剥落止め

廻廊 蟇股
廻廊 蟇股
廻廊 蟇股剝落止め作業

2019年10月 廻廊蟇股取り外し

廻廊 蟇股取り外し作業
廻廊 取り外した蟇股
廻廊 取り外した蟇股

2019年11月 廻廊蟇股彩色調査

廻廊 蟇股彩色調査

飾り金具

2018年10月~

正面門の飾り金具取り外し

廻廊 中門 取り外し作業

再び使用する金具は修繕およびクリーニングを行い、再び使用できないものは従来の仕様にならい、新調する予定です。

本堂 塗装掻き落とし後
 

再び使用する金具は修繕およびクリーニングを行い、再び使用できないものは従来の仕様にならい、新調する予定です。

根本中堂妻飾り金具取り外し

本堂 妻飾り金具 妻飾り金具 取り外し後

六葉取り外し

本堂

柱根継

今回の大改修では柱足元が腐朽している2本の柱の根継を行います。

2021年3月

1本は南側車寄せ付近の柱を根継します。今回取り外した部材には昭和27年の墨書きがあり昭和の大修理でも根継が行われていたことがわかります。

本堂 数か所にジャッキをかけ
揚舞施工
本堂 根継部分取り外し
本堂 根継部分取り外し
本堂 墨書き

もう1本の柱は正面中央付近の柱を根継します。

本堂 根継部分切断
本堂 根継部分取り外し
本堂 根継部分取り外し
本堂 腐朽している柱石口

仏像修理

根本中堂内の諸仏の修理も行っています。
ヒノキ材の寄木造りの十二神将がご本尊薬師如来の眷属けんぞくとして周囲に奉祀ほうしされています。
今回の修理では現状保存を目的として、次のような修理を進めています。

寄木造りの仏像

【継ぎ目の強化】
仏像のつなぎ目部分の定着剤(漆(うるし)・膠(にかわ))を塗りなおす

剥落止はくらくどめ】
剥がれている表面部分を膠などで定着させる

漆箔しっぱく
漆で金箔を押す技法 着衣模様・道具・鎧・靴先部分などに使用

鍍金ときん
剥がれた金属部分等を金で覆う作業 メッキのこと
仏像の金属装飾の光背(こうはい)などに使用

修理後の十二神将は現在、国宝殿にて奉祀されており見学可能です。

作業の様子

寅神将

布海苔溶液の和紙貼りで汚れを落とす

子神将 剥落止め

各十二神将の頭部には支獣と呼ばれる干支の像がついており、支獣も修理します。

子神将 支獣修理前
子神将 支獣修理後

修理仏像 一覧

梵天 修理前
梵天 修理後
帝釈天 修理前
帝釈天 修理前
子神将 修理前
子神将 修理後
丑神将 修理前
丑神将 修理後
寅神将 修理前
寅神将 修理後
卯神将 修理前
卯神将 修理後
辰神将 修理前
辰神将 修理後
巳神将 修理前
巳神将 修理後
午神将 修理前
午神将 修理後
天台宗
一隅を照らす運動
比叡の大護摩公式ウェブサイト
延暦寺大霊園
延暦寺会館
日本文化の魅力交流ポータル「巡り」
山と水と光の廻廊
比叡山坂本サンポ
比叡の光
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