本年は日本天台宗の開祖、伝教大師最澄(767~822)が入寂されて1200年の大遠忌の年にあたります。
最澄は比叡山に一乗止観院(現在の根本中堂)を建立し、入唐して天台の教えをはじめ禅法、大乗菩薩の戒法、密教を学び、帰朝後、天台法華宗を開創されました。中でも「一切が菩薩であり、一切が成仏できる」という教えは、国家鎮護のみならず民衆救済を重視した新しいものでした。その後、僧侶が比叡山で学び、多くの開祖・高僧を輩出され、日本仏教の母山とも呼べる一大聖地へと発展します。
本展観では延暦寺にある最澄ゆかりの絵画・書跡などの文化財を一堂に会し、宗祖の生涯を振り返り紹介しようというものです。この企画展を通じて、最澄の業績や教えの一端に触れていただく機会となれば幸いです。
伝教大師坐像(滋賀院蔵)
国宝 天台法華宗年分縁起 伝教大師御筆
重文 天台三祖師像(金台院蔵)
主要な展示品
彫刻
- 伝教大師坐像 一躯、江戸時代、滋賀院蔵(通期)
絵画
- 伝教大師像 伝小野篁筆 一幅、室町時代(後期)
- (重文)天台三祖師像 一幅、鎌倉時代、金台院蔵(4/24~5/9)
- (重文)天台大師像 一幅、鎌倉時代(前期)
書跡
- (国宝)伝教大師請来目録 一巻、唐時代(前期)
- (国宝)伝教大師入唐牒 一巻、唐時代(後期)
- (国宝)天台法華宗年分縁起 一巻、平安時代(前期)
- (重文)伝述一心戒文 三冊、平安時代(通期)
- 2021.04.09