不動明王は、観音・地蔵菩薩と並び、庶民に人気のほとけさまとしてよく知られています。厳しい忿怒相は諸悪・災難を取り除き、また教化し難い衆生を叱咤して正しい教えに導く姿として、人々の厚い信仰を集めてきました。
比叡山でも、天台回峰行や護摩行など、天台密教による修行の実践で重視され、これに伴った信仰の広まりや造像が行われました。
この企画展では山内寺院や山麓の支院に伝わる不動明王に関わる仏教美術を一堂に会し、仏尊としての意義や歴史、信仰を紹介していきます。この展観を通じ、叡山で育まれた信仰と美の世界をご鑑賞いただければ幸いです。
不動明王二童子立像(玉蓮院蔵)
不動三尊懸仏(明王院蔵)
不動明王三童子五部使者像
主要な展示品
絵画
- (重文)不動明王三童子五部使者像 一幅、鎌倉時代 前期
- (重文)不動明王二童子像 一幅、鎌倉時代、恵光院蔵 前期
- (重文)不動明王二童子像 一幅、鎌倉時代、明王院蔵 後期
彫刻
- (重文)不動明王二童子像(無動寺伝来) 三躯、鎌倉時代 通期
- (重文)不動明王二童子立像 三躯、鎌倉時代、玉蓮院蔵 通期
- (重文)不動明王二童子像 三躯、平安時代、近江八幡市 伊崎寺蔵 通期
工芸品
- (重文)不動三尊懸仏 一面、明徳4年(1393)、明王院蔵
- (重文)葛川明王院参籠札(足利義満・日野冨子) 二基、室町時代、明王院蔵
- 2020.09.17