五年一会で執行される延暦寺の古儀を伝える重要な法儀「法華大会広学竪義(ほっけだいえこうがくりゅうぎ)」が本年10月1日から6日間、六夜に亘って執り行われます。
法華大会広学竪義における法華十講は、宗祖伝教大師が天台大師への報恩のため延暦17(798)年その命日である11月(霜月)に始められた「霜月会」と、伝教大師滅後その弟子達が報恩のために6月に始めた「六月会」から成ります。法華十講は『法華経』八巻と開経と結経の二巻を合わせた計十巻の経典を講師が講義し、問者が講師に法華経の教えを乞う形で問答の往復が繰り返される「論義法要」を以て厳修されます。
広学竪義は天台宗の僧侶として幅広くその教えを学べているか、法華経の真理を究めて正当な義を立てることができているのかが問われるたいへん重要な竪義(試験)であり、多くの質問者からの厳しい問いに受け答えをしなければなりません。
また法華大会五巻日である10月4日には、探題、已講、天皇勅使の三人が天上輿に乗り三方から出会い入堂し、10歳前後の子どもたちによる稚児論義(ちごろんぎ)があります。
- 2019.09.30