西塔は本堂にあたる釈迦堂を中心とする区域です。
東塔から北へ1キロメートルほどのところにあり、第2世天台座主寂光大師円澄によって開かれました。本堂は釈迦堂(転法輪堂)です。他に修行のお堂であるにない堂や伝教大師最澄上人の御廟所である浄土院などがあります。
また、一般の方々の研修道場である居士林もあり、修行体験をすることができます。(※要予約)
東塔地域から、シャトルバスにて5分。徒歩にて20分(未舗装、坂道、階段あり)
横川地域から、シャトルバスにて10分。
西塔エリアマップ
釈迦堂(転法輪堂)
西塔の本堂にあたるのが、この転法輪堂です。一般にはご本尊の釈迦如来にちなみ、釈迦堂の名で知られています。
現在の釈迦堂は、延暦寺に現存する建築中最古のもので、もとは三井寺の園城寺の金堂でしたが、秀吉が文禄四年(1595年)に西塔に移築したものとなります。
西塔鐘楼と共に国重要文化財に指定されています。
浄土院
伝教大師の御廟がある浄土院は、弘仁13年(822年)6月4日、56歳で入寂された大師の遺骸を、慈覚大師が仁寿4年(854年)7月ここに移して安置した場所です。東塔地域と西塔地域の境目に位置し、所属は東塔地域になります。
現在は十二年籠山の僧が毎日、生身の大師に仕えるごとくに奉仕しています。
国重要文化財に指定されています。
常行堂・法華堂(にない堂)
同じ形をしたお堂が廊下によって繋がっています。正面向かって左が、四種三昧のうち、常行三昧を修す阿弥陀如来を本尊とする常行堂、右が法華三昧を修す普賢菩薩を本尊とする法華堂です。
弁慶が両堂をつなぐ廊下に肩を入れて担ったとの言い伝えから、にない堂とも呼ばれています。
国重要文化財に指定されています。
※にない堂は内部非公開です。
瑠璃堂
薬師瑠璃光如来を本尊とする瑠璃堂は、信長の焼き討ちを逃れた山内唯一の建物で、室町後期の建築といわれています。
その建築様式は比叡山では珍しく禅宗様(唐様)の特徴を持ち、国重要文化財に指定されています。
※瑠璃堂は内部非公開です。